天の前庭 |
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作家 | ほしおさなえ |
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出版日 | 2005年07月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | 空 | |
(2015/10/26 21:53登録) 半分ぐらい読んだところで、これはカーの有名作のSF版的なものを狙っているのかなと思いました。 ただし、カーが最後の数ページで愕然とさせてくれるのに対し、こっちはクライマックス突入部分あたりで狙いが明らかに見えてしまいます。それでもかまわないとは思うのですが、どう解釈しても辻褄が合わなくなってしまっているのは問題です。タイムスリップをミステリ的に使った小説は、矛盾をいかに解消するかがポイントのはずですが、結局何が何だかわかりません。そのタイムスリップが作中で初めて言及される部分は、人物認識の問題として、クリスティーの某オリエント舞台作品以上にあり得ないでしょう。最後の爆発事件も、どういう経緯で起こったのか全く説明されていませんし、論理的な詰めが甘すぎると言わざるを得ません。 それでも全体の雰囲気、文章の感じはかなり好きなので、この点数にしました。 |