home

ミステリの祭典

login
旅涯ての地

作家 坂東眞砂子
出版日1998年11月
平均点9.00点
書評数1人

No.1 9点 Tetchy
(2008/05/13 22:57登録)
作者自身初めて海外を舞台にし、さらに初の歴史小説であるという初物づくしの大作。

緻密なまでの当時の風景描写になかなか馴染めなかったが、上巻後半の急展開からページを繰る手が止まらないほどだった。
そして上巻を読み終わったときに、物語は全て終わったように感じ、下巻の同じくらいの厚さを見たときに、何が残っているのだろうと思ったが、これがまたすごい話だった。

最後はなんともいえない虚無感が漂う。しかし、傑作である。
唯一、主人公の夏桂の信条に関して語りすぎだったのが小さな瑕だった。

1レコード表示中です 書評