home

ミステリの祭典

login
ハードフェアリーズ

作家 生垣真太郎
出版日2003年06月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2014/01/16 22:47登録)
舞台はニューヨークで登場人物たちはアメリカ人という小説。提出される謎と、20年後に明かされるその真相は、偶然が過ぎると思えるところもありますが、悪くありません。しかし…
この作者の、一人称形式で事件と無関係なとりとめのない思考をひたすら長々と(ただしやたら改行を入れながら)連ねる文章には辟易させられました。通俗的な意味での「詩的抒情性」に満ちた文体です。探偵役の一人称形式と言えば、内面描写を避けるハードボイルドもそうですが、この作者の感覚はまさにその対極。ハードボイルドっぽく簡潔に描けば、小説の長さは1/3程度で済みそうです。
作中の映画評論家はルイ・マル監督をどうでもいいとか言っていましたが、私自身マルの中ではその甘さがあまり好きでない『恋人たち』を、さらに引き延ばして何十倍も甘ったるくしたような作品です。

1レコード表示中です 書評