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ミステリの祭典

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メフィストの牢獄
カナダ連邦騎馬警察・スペシャルX

作家 マイケル・スレイド
出版日2007年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2023/07/23 00:07登録)
スレイド初読。巻末解説では異色作だとしていて。謎解きミステリとしての意外性の希薄さも、理由のひとつだということです。確かに、犯人がメフィストと名乗る人物であることは最初から犯罪小説形式で明らかにしていますし、彼の正体を突き止める話でもありません。彼が手に入れたがる「秘宝」とは何か、またどこに隠されているのかの謎はありますが、答に特に意外性はありません。
事件の顛末は1週間で済み、その後に数日後のエピローグが2つ付く構成で、プロットは単純です。ただ、この作者やたら饒舌で、途中メフィストの想像する古代や中世のことが延々語られます。その古代・中世部分は翻訳者も文語体にするという悪ノリぶりで、かなり辟易しましたが、最後1/5ぐらいは展開もスピードアップし、それなりに楽しめました。
それにしても、作中でメフィストと比較されているモリアーティ教授は、そんな誇大妄想狂じゃなく、冷厳な人だと思うのですが。

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