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ミステリの祭典

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観覧車
下澤唯シリーズ

作家 柴田よしき
出版日2003年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2022/10/09 19:34登録)
失踪してしまった私立探偵の夫を継いで探偵業を営むことになった下澤唯を主人公とした連作短編小説集で、7編が収められています。と言っても、5編目と部分的に関係した6編目から7編目については一貫した流れで、特に7編目は『終章、そして序章』となっていることからもわかるとおり、エピローグ的なものです。
カバーの内容紹介では「恋愛ミステリー」とされていますが、恋愛とは限らず、もっと広い愛がテーマとなっている作品もあります。主役が私立探偵ではあっても、煙草に関して「チャンドラーを読んだことないんか」という友人の刑事からの問いに「ない。ハードボイルドなんか嫌いやわ」と答える(第3編『送り火の告発』)ような作品です。まあ、多少ハードボイルドっぽい『砂の夢』もありますが、むしろ殺人事件のアリバイトリックなどを使ったりした謎解きタイプと言えるでしょうか。

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