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ミステリの祭典

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不思議なミッキー・フィン
ホーマー・エヴァンズシリーズ

作家 エリオット・ポール
出版日2008年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2014/09/02 11:32登録)
(ネタバレなしです) 米国のエリオット・ポール(1891-1958)は第一次大戦に従軍した後、フランスやスペインに住んでいました。第二次大戦が勃発すると米国に戻ってホーマー・エヴァンズシリーズを書くようになりますが、その初期作品は思い出の地フランスを舞台にしています。本書は1939年発表のシリーズ第1作です。ユーモアあふれる本格派推理小説を書いていると紹介されたので同時代のクレイグ・ライスをイメージしていましたが、ユーモアどころかスラプスティック(どなばた劇)と表現した方がいい作風は確かに共通するところがあります。ただライスの場合は登場人物が何をしたいのかを整理しているので(そう思う通りにはいかないのですが)物語の流れがスムースなのですが、ポールの場合は何をしたいのかよくわからないまま話がどんどん進むようなところがあって微妙に読みにくく感じます。様々な国籍の人物が登場していますが、同じ人物が色々な名前で呼ばれるのも混乱の原因です。最後はホーマー・エヴァンズによる謎解き説明がありますが冒険スリラー色が濃く、私は(作風は違いますが)マイケル・イネスの冒険スリラー「アララテのアプルビイ」(1941年)を連想しました。

No.1 7点 mini
(2008/10/13 16:19登録)
「ルーヴルの怪事件」が過去に翻訳された事もあり、一応名前だけは知られていた作家
どうもネットでの評価は散々なようで、良い評判をほとんど聞かない
こうした作品の擁護こそ私の出番だ
終盤のぐだぐだな展開などロジックやサプライズばかりにこだわる読者にはたしかに評判悪いだろうな
でも物語は楽しい雰囲気に溢れている
個人的には西洋美術史が好きなので、エコール・ド・パリの時代的雰囲気は良く出ていると思う
作者はアメリカ人だけど、さすがに作者自身がその時代にパリ在住の異邦人だった経験が活きている

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