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ミステリの祭典

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みんな誰かを殺したい

作家 射逆裕二
出版日2004年05月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2023/06/20 22:43登録)
峠で殺された小太りの中年男。そして、その殺人事件を目撃した男。緻密なプロットが交錯し、物語の糸は思いも寄らぬ方向に収斂していく--。新人離れした完成度の超本格ミステリ。
Amazon内容紹介より。

途中までは例のあのトリックねと思いながら読みましたが、終わってみればそれどころではなく、かなり込み入った話だという事を思い知らされました。中盤でええーっとなり、終盤でまたええーっとなって、最後にまたまたええーってなります。しかし、読み終わった後の達成感みたいなものは得られます。非常によく考えられた物語で、やや煩雑さを感じる方もいると思いますが、じっくり読み込めばそれほど気にはならないんじゃないでしょうか。

本書は第24回横溝正史ミステリ大賞優秀作です。その際の選考委員は綾辻行人、内田康夫、北村薫、坂東眞砂子の各氏でしたが、それぞれの選評を読んでみると、たった四人なのにこれだけ意見が分かれるものかとちょっと驚きました。個人的には内田康夫の「横溝正史ミステリ大賞に最も相応しい作品」として推されていたのに同感でした。他に作品を読んでいないので何とも言えませんが、本作が大賞でも良かったんじゃないのかと思いました。それくらいのレベルの高さは保持した作品だと感じます。

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