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ミステリの祭典

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オランダ水牛の謎
安楽椅子探偵アーチー

作家 松尾由美
出版日2006年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/11/22 23:14登録)
「安楽椅子探偵」アーチ―というアイディアは、やはり意味の曲解だけから思いつかれたのでしょうか。探偵役設定だけなら気楽なファンタジーで、したがってこの設定には当然必要なワトソン役も子どもにして、雰囲気を統一したということでしょう。
そのシリーズ2冊目は、「国名シリーズ」になっていて、5編が収められていますが、本家と違い、推理の厳密さにこだわったとかいうことは全くなさそうです。特に表題作は推理合戦までやっていますが、どれも単なる想像に過ぎず、それらの想像とは全く異なる真相は、関係者本人の口から語られます。また『アメリカ珈琲の謎』は、作者があとがきで「ハードボイルド風にしようと思った」と書いている、やくざがらみの失踪事件で、他の日常の謎系作品とは趣が異なります。アーチーも探偵ではなく、衛の相談役として登場するだけ。一方『イギリス雨傘の謎』は、ひねり過ぎと思えるくらいでした。

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