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ミステリの祭典

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迷宮学事件

作家 秋月涼介
出版日2002年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2013/11/12 21:59登録)
再読です。
みなさんは迷宮と迷路の違いをご存知ですか?本書を読むとその答えが明らかになります。
そんな事はどうでもいいが、これは綾辻と京極を掛け合わせたような作品である。プロットや雰囲気、事件そのものは綾辻似、登場人物の人間模様は京極似で、当然京極堂、榎木津、関口、木場に相当する人物が登場する。誰が誰に対応しているのかは敢えて書かないが、そういう事を頭に入れて読んでいくと一層楽しめるのではないだろうか。無論、秋月氏が大先輩諸氏の影響を受けたかどうかは定かではない。
面白いのは、上記の4人のうち3人までが女性であること。しかし彼女らすべてが女性らしさをあまり前面に押し出さず、どちらかというと中性的に描かれているのも興味深い。
まあいずれ絶版になっているだろうから読む機会はないと思うが、もし図書館や古書店で見かけたら、読んでみても悪くはないと思うよ。ハズレの多い【密室本】の中では、かなりよく描かれているほうであろう。

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