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ミステリの祭典

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暗殺の交響曲
御子柴礼司シリーズ

作家 中山七里
出版日2026年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2026/09/14 21:26登録)
 大阪梅田で街頭演説をしていた野党民生党の溝呂木久邦党首が刺殺された。犯人・入山和奏はその場で逮捕され、彼女は、就職氷河期を生んだ溝呂木政権時代の怨恨が動機と供述した。犯人がその場で確保された白昼の犯行、事件は解決に向かうと思われたが、和奏が自分の弁護士に指名したのは悪徳弁護士として知られる御子柴礼司。さらに対する地検は「能面検事」こと不破俊太郎がこの事件を担当することになった。中山七里作品のシリーズ主人公が激突―!!

 御子柴VS不破検事、という時点で中山七里ファンなら合格点をあげてしまう。
 ただこう書くと七里ファンだけが楽しめるような聞こえになってしまうが、そんなことは全くないと思う。本作品が初読でも(御子柴礼司が少年時代に世間を震撼させる殺人犯だったという異例の経歴を持つ弁護士という知識だけは必要かもしれないが)十分に楽しめると思う。
 ある意味”似たもの同士”の2人のキャラクターはすぐにわかると思うし、数年前に日本で実際にあった、元首相殺害事件を下敷きにしたと明らかにわかる物語設定は入りやすく、没入しやすいのではないか。

<ネタバレ>
 どんでん返しが売り物とはいえ、そんなことを警察が見逃すかなぁ…(見逃さないだろう)と思う仕掛けではあった。しかもこのシリーズを読んでいれば、「氷河期時代を生んだ失政への恨み」が真の動機ではなくその裏に何かがあること、しかもそれが何であるかも読んでいくうちに見通せてしまう(実際、だいたいわかった)。
 そういう意味ではミステリとしての「謎解き」自体はそこまでレヴェルは高くないが、御子柴&不破のキャラもあってその真相に迫っていく過程自体が面白い。そして作者のアイデアそのものに改めて感嘆する。
 どうやらこれより先に刊行された「能面検事の挫折」が実は初対決らしい。順序が逆になってしまったが、さっそく読みたい。

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