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ミステリの祭典

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夜宵

作家 柴村仁
出版日2011年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2026/09/04 22:38登録)
大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹(ささがに)の市」。そこで手に入らないものはないという。 ある者は薬を。ある者は行方不明の少女を。ある者はこの世ならぬ色を求めて、細蟹の市へと迷い込む。 異形の者たちが跋扈(ばっこ)する市で、市守りのサザが助けたのは記憶を喪った身元不明の少年・カンナだった。呪われた双子の少女は唄う。「ああ、不吉だ、不吉だ」「おまえがもたらす流れ、その循環は、混沌を呼ぶわ」……
Amazon内容紹介より。

時は現代、所は石骨地区の湖上の小島。細蟹の市に様々なものを求めて訪れる者達。しかし、ここには普通の人間が入り込むと魔に魅入られその後とんでもない目に遭うと言われている。と云う設定で完全なホラーですが、文章は飽くまで詩的で妖しく美しいです。一方でグロ表現が若干目立ち、インパクトを与えます。

個人的には単行本の二段組みで構成されている一の経、二の経、四の経がミステリ要素もあり、大変感銘を受けました。と言うと感動的なラストかと思われるかもしれませんが、そうではなく非情な結末が恐ろしかった訳です。
どこかネジの外れた双子の少女、隻脚の細蟹様、市の警備役のサザ、記憶障害を負ったカンナ、カンナに心を寄せるまことら多彩な人ならざる者や人々が織り成す奇矯なドラマに酔いしれるべき、風変わりなホラー小説の佳作だと思います。

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