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ミステリの祭典

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鬼女面殺人事件

作家 西村京太郎
出版日1981年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2026/08/04 14:02登録)
 小説を読む時は “主人公には共感すべし” みたいな思い込みがあって、呑み込みづらい部分が多少あっても自分の気持の方を調整してグレー・ゾーン的に受け入れたりしてない?
 それがあっても、この主人公は一体何様の心算か。
 見知らぬ男の一言を根拠に、伝統と信仰をぶち壊しに遥々赴く。“自分には共感出来ない思想だから” と、正義の顔でやりたい放題である。
 こういうのって、島に本当に恐るべき秘密が隠されているのか、他所者が思い違いで独り相撲を取っているのか、何となく見当が付いてしまう(その差は程度の問題に過ぎないと言えばその通りだが)。だから “共同体の奥に何かがある” のは判る。
 しかしそこに土足で踏み込もうとする態度は不快。“因習で泣かされる人がいても良い” とは言わないが、主人公は “自分の気持がスッキリすれば、あとは野となれ山となれ” って感じなのだ。
 だから、この結末は “主人公が島に負けた” のであって、私は正直なところ痛快だったのである。

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