| 本心 |
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| 作家 | 平野啓一郎 |
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| 出版日 | 2021年05月 |
| 平均点 | 8.00点 |
| 書評数 | 1人 |
| No.1 | 8点 | take5 | |
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(2026/07/04 19:05登録) ミステリー的手法で描く近未来小説 いくつかテーマがあります。 ①「理解したつもり」の危険性。 主人公が、「自由死(安楽死)」を 選んだ最愛の母の本心を知りたい と願い、母親のAIを再生します。 しかし、AIと会話を重ねるうち、 自分が見ていた母親は、実は、 「自分に見せてくれていた母親」 の一面に過ぎず、自分が知らない 交友関係や考えを持っていた事を 知ります。 ②人を愛するということの本質 平野啓一郎は、「相手のすべてを 完全に理解すること」は不可能だ としています。むしろ、「分かり 合えない部分(他者性)」がある からこそ、相手を単なる自分の 所有物としてではなく、一人の 独立した人間として尊重して、 深く愛することができるのだと 説いています。 ③「分人主義」と他者性の関係 平野啓一郎が提唱する分人主義 という考え方は、「人間は誰しも、 相手(家族・友人・仕事)との 関係性ごとに異なる複数の人格 (=分人)を持っているのだ」 いうものです。主人公の母親も 母親としての一面だけでなく、 主人公の知らない場所で別の顔 (分人)を持っており、それが 「他者性」の正体だという事です。 いずれのテーマも、読者の自分を えぐるような重さです。しかし、 最後まで目を背けない主人公に、 こちらも最後まで向き合う読書と なりました。 |
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