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ミステリの祭典

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射手座の香る夏

作家 松樹凛
出版日2024年02月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 8点 虫暮部
(2026/09/22 13:38登録)
 収録された四編中三編は、SFとしての思い切った設定を持ちつつ、新本格マインド溢れるミステリ的反転を取り込んだ意欲作。片方を引き立てるギミックとして他ジャンルの手法をちょいと拝借、と言うのではなく両方とも “本物” なのが嬉しい。
 最後の一編だけ少々毛色の異なるジュヴナイル風味ファンタジー。しなやかで潔癖な少女のキャラクターと、あまりにも鮮やかな映像喚起力。今でも目を閉じると洗濯ロープの脱出行場面がまざまざと蘇る(見たわけじゃないけど)。

No.1 6点 糸色女少
(2026/07/03 18:28登録)
表題作は近未来の技術特区で発生した身体盗難事件から始まる。作業員が人工身体に意識を転送して仕事をしていると、鍵のかかった部屋から身体を盗まれてしまったのだ。そこに狼の伝説や、登場人物の友情と葛藤が絡み、濃厚なドラマが展開する。
「十五までは神のうち」は出生を巡る自己決定権とタイムマシン、「さよなら、スチームヘッド」は仮想空間と現実でそれぞれの状況に苦しむ者たちのサバイバルと情緒、「影たちのいたところ」は紛争地域で生じた身体が影に変わってしまうという不条理な事態を描いている。
巧みなストーリーテリングと、謎に挑む人々の動きが魅力的で、いずれも青春SFミステリの味わいを帯びている。

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