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ミステリの祭典

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昭和御前試合

作家 清水義範
出版日1989年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2026/06/14 18:23登録)
(ネタバレなし)
 光文社文庫版で読了。
①『昭和御前試合 』
②『怪盗光小僧 』
③『逆らうな』
④『振らずの辰』
⑤『識者の意見』
⑥『人材発見システム』
⑦『快楽インフェルノ』
……の7編を収録したSF中短編集。

 現状のAmazonの登録データにはない元版(収録内容は同一。CBS・ソニー出版/1981年5月)は作者の初めての本格的な著書(書き下ろしの短編集)だったらしい。もっともそれ以前から作者は、会社員の傍らでゴーストライターなどの文筆業の経験はあったようである。

①……のちの近未来(?)から、昭和文化を観測。各種競技勝負の複数のドキュメントを現実の史実とは異なるハチャメチャな情報で、しかしそれが真実であるという思い込みのもとに語った疑似現代史ものふうの歴史小説(的なギャグSF)。

②……あー、ネタは『ガス人間第一号』だね。ヒロインとの悲恋部分は割愛だけれど。偶発的に超人になった主人公が劇場犯罪にのめりこんでいくあたりとか、まんまの流れ。ラストは妙にシリアスでシビア。

③ある種の選民に支配される人類文明を描いた、ブラックユーモア的なディストピアもの。『デス・ノート』のキラが大手を振って歩いたら、こういう風になるのだろう。

④マージャン作品。テーマは妖怪「サトリ」への対抗もの。

⑤未来世界(20世紀以降の現代)から音声のみのアクセスで、仇討ちコメンテーターとして常時意見を求められるようになった大石内蔵助の話。ショートショート。

⑥人事テーマの短編SF。社会風刺ものと言えないこともない。

⑦セックスや出産が超合理化された未来での社会派ドラマ。お話にちょっとした構成上のギミック。

 就寝前&病院の待合室でのお供本。個人的には原典への思い入れ込みで②が良かったが、③のぶん投げたような作劇、⑤のナンセンスぶりもなかなか。①も部分的には対抗相手のマッチングネタで面白い。
 それなりに楽しかった。

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