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ミステリの祭典

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土人形と動死体

作家 円城塔
出版日2026年04月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 虫暮部
(2026/06/09 13:39登録)
 敢えて例えるなら、別ルートから神林長平をやろうとして予想外に健闘、と言ったところか。此処には、読者を退屈させ困惑させる目的で言葉を紡いでいた円城塔はいない。

 それでも第一部には多少の退屈さが残っており、ホッとさせられる(?)。魔術だゴーレムだスライムだと並べつつも、舞台設定だけしてオチを用意せずぶった切る様は、架空の国の神話のよう。

 それを我慢して第二部に辿り着けたら、物語が蠢動を始めた。存外に豊かな流れに “こんな作風じゃなかったよね?” と訝りつつ、近年流行の異世界ファンタジーのパロディにも感じられる。あれらはライトな筆致が主流だから、こういう重厚な文章で語られると却って冗談に見えると言う逆転現象である。

 成程ねぇと判った心算で第三部、束縛が次々に消滅して何でもアリ化、無限の改変を経て、これはミステリで究極のトリックとも称されるアレに準ずるものではないか。こんな手もあったのだ!

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