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ミステリの祭典

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デビルズ・アイランド

作家 西村寿行
出版日1996年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 人並由真
(2026/05/26 05:55登録)
(ネタバレなし)
 瀬戸内海にある、高齢者ばかり約40人が暮らす小島「黒島」で、ある夜、85歳の老婆・米倉カズミが変死を遂げる。老女は周辺に何の高所も無い場所で、50メートル前後の高さから墜落して惨死していた。ついで88歳の老婆・小脇ノブ代が、6メートルの高さの巨木での早贄のような姿の惨死体として発見された。香川県警と県知事、さらには中央からの調査隊と司法機関が動く中、島では30年前の怪事件に関連するらしい巨大な牡牛が、発光体の変幻として出現。人類はこの島を「デビルズ・アイランド」と呼び、何らかの未知のエネルギーが意志を持っている可能性を視野に入れるが。

 角川書店創立50周年特別作品。雑誌「小説王」1994年9月号から翌年1月号に連載ののち、「野性時代」95年4~7月号に後半が掲載された。

 新本格によくある序盤の謎<不可思議な墜落死>から開幕するが、別段トリッキィなパズラー作品という訳ではない。
(たぶん一部の謎というか怪死の事情&真相は、最後まで読んでもよくわからんよ。)

 おそらく作者はガイア理論あたりに基づくホラー風SFを想定しながら本作を書いたんだろうが、超自然現象に対して人類側が本腰を入れて解明? にかかってるかと思えば、中盤でこりゃ手に負えない、と舞台の島を事実上の放置。さらに上陸禁止の規制を緩やかにして、勝手に入ってきた人間を犠牲にいろんな臨床例の科学データをとっていこうと、中央政府がとんでもないことを考えはじめる。
 で、そこからはいつものエロでバイオレンスの寿行作品……にまとまるかと思いきや、結局は、割とぶっとんだ方向に雪崩れ込んでいく。
 
 面白いか面白くないか、と言われても正直困る内容で、とにかく妙なものを最後まで読まされた、としか返答のしようがない。まあこの奇妙な味わいでどっかトリップした感覚もあるので、そういう意味では一応はオモシロかったのかも!?
 後期~晩年の寿行作品なら、まだまだこの手のものに出会いそうである。

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