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ミステリの祭典

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吉祥寺の朝日奈くん

作家 中田永一
出版日2009年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2026/05/23 22:02登録)
収録作品
交換日記始めました! 恋人同士の圭太と遥が内緒で交わしていた交換日記。二人だけの秘密だったはずが…。
ラクガキをめぐる冒険 高校二年のときにクラスメイトだった遠山真之介。五年後の今、不思議なことに同級生の誰も彼のことを憶えていないのだ。
三角形はこわさないでおく ツトムと小山内さんと、俺。ツトムは小山内さんが気になり、小山内さんは…? 微妙なバランスの三角関係の物語。
うるさいおなか 私のおなかは、とてもひんぱんに、鳴る。そのせいでどうしても積極的になれなかった私の前に、春日井君があらわれて…。
吉祥寺の朝日奈くん 山田真野。上から読んでも下から読んでも、ヤマダマヤ。吉祥寺に住んでいる僕と、山田さんの、永遠の愛を巡る物語。
Amazon内容紹介より。

表題作を除いて、終始ぬるま湯に浸かったような感覚が抜けませんでした。叙述トリックや意外な真相など、ミステリ的趣向が盛り込まれており、あまり恋愛小説集と言う感じがしません。乙一の別名義だと安心していたら、ちょっと拍子抜けでした。敢えて作風を変えているのかなとも思いましたが。
どれもこれも毒気が抜けた、悪く言えば読者に迎合した様な作品で、まあまあの印象です。

しかし『吉祥寺の朝比奈くん』だけは秀作或いは傑作だと思います。山田真野と僕朝比奈の恋愛はちょっといけない、秘められた愛。登場人物が少ないだけに、それだけ濃密な二人の揺れ動く恋心が繊細に描かれます。付かず離れずの関係性の先に待っているのは・・・。これですよ、これ。私が待っていたのは。やはり油断なりませんね、この作家は。

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