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ミステリの祭典

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虚空
私立探偵スペンサー

作家 ロバート・B・パーカー
出版日1995年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2026/04/30 06:37登録)
(ネタバレなし)
「私」ことボストンの私立探偵スペンサーの友人である中年警察官フランク・ベルソンの再婚相手である、年下の美しい妻リーサが姿を消した。さらにその直後、妻を捜索しようとしたベルソンは何者かに撃たれて重傷を負う。相棒ホークも海外に出向いているなか、スペンサーは単身、入院したベルソンに代ってリーサの行方を追うが、やがて予期せぬ事実が明らかに。

 1995年のアメリカ作品。スペンサーシリーズの長編・第22弾。
 ブックオフの200円棚で出会った状態のいい本(ハードカバー版)を、シリーズとしてはつまみ食いで読了。

 87分署シリーズでクリングの若妻(花嫁)が誘拐される『命ある限り』を想起させる内容だが、犯人のキチガイぶりは向こうの方がキャラが立っていた。
 購入した古書のハヤカワ・ノヴェルズ版の帯には「スペンサーVS性倒錯者」と仰々しい惹句があるが、本作の犯人は若妻の元カレ。これはもう序盤でいきなりわかり、作者もそれ自体はサプライズにもする気はまったくない(ということで、ここでも書かせてもらう)。まあイカれた男には間違いないが、一抹の事情や切なさもあり、その行動はもちろん肯定できないが、犯人の狂気性は薄い。その分、ゲストメインヒロインのリーサのキャラクターの方にある種の文芸性があり、そこが本作の得点要素にはなっている。

 スペンサーは真面目に仕事はしているが、基本は足で歩いて情報を得る作業の積み重ねなので、やや退屈。その反面、後半、勇気を出してそのスペンサーのもとに情報を持って来る某ゲストキャラの描写がちょっとだけ光っている。

 ほかにも話の決着のつけ方、その犯人のキャラクター設定(姑息で卑劣な防御壁を用意しているが、一方でその辺が妙に人間臭い)などそこそこ良い面はあるが、同時にいつものシンプル・プロットのスペンサーもの。それでもたぶんシリーズのなかでは悪くない方だろう。ホークの代理で呼ばれるスペンサーの助っ人でメキシコ人の暗黒街の若者チョヨがちょっとかっこいい(先に『スターダスト』に顔出していた? 同作はたまたま3年前に読んで本サイトでも感想を書いているが、まったく記憶にないな)。

 評点としてはこのくらいの数字で。実質5.8点のような。はたまた6.2点? のような。

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