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ミステリの祭典

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互換性の王子

作家 雫井脩介
出版日2023年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 猫サーカス
(2026/04/23 17:10登録)
中堅飲料メーカー「シガビオ」の創業社長の御曹司・志賀成功が、何者かによって地下室に監禁された。不意に解放された半年後、出社してみると事業部長のポストは異母兄・実行に奪われていた。全ては異母兄の仕業なのか。その謎とサスペンスを維持したまま、物語はお仕事小説として進む。お仕事ものとしての白眉は、乳酸菌を使った新商品アイデア会議の場面。登場人物それぞれのキャラクターと商品案がしっかり結びついているからこそ、ディテールへのこだわりに満ちた議論を無理なく追いかけること出来る。産業スパイが絡んでくるライバル社との新商品対決は白熱の一言。と同時にオーナー一家の関係性を描いた家族小説でもあり、異母兄弟に二人のヒロインを加えた、四角関係のラブストーリーとしても熱を高めていく。冒頭の監禁事件の犯人の動機にまつわる伏線回収も見事。

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