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ミステリの祭典

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法月綸太郎の不覚
法月綸太郎シリーズ

作家 法月綸太郎
出版日2026年04月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 ことは
(2026/04/29 18:09登録)
久しぶりの法月綸太郎の短編集。安定した面白さだ。
事件の進行をリアルタイムに追うのではなく、法月親子の会話などを通して事件の全体像がまとめて質疑されるので、短い紙幅の中でもかなり複雑な事件の構図が語られる。そのかわりキャラ立ちに割かれる記述は少ないので、キャラ読みはまったくできないが、謎と考察については極めて密度が濃く、それを期待するならば実に楽しめる。
ただ、短編集全体でみると、本人があとがきで書いているように、「思考のトラック」が狭くなっているのは、少し残念なところ。また、どれも複雑な構図を切り替える話なので、法月短編の代表作「都市伝説パズル」ように、“切れ味”によって長く記憶に残るタイプではない。(複雑すぎて忘れてしまう)
そのため、「新冒険」、「功績」のような”文句なしの好短編集”というわけにはいかないかな。
各短編の寸感。
「心理的瑕疵あり」 かなり変わった手がかりから、風変わりな構図を導き出す。あとがきによると、「犯人当てとして書かれて、当てた人がいた」とのことたが、当てる人もすごいな。
「被疑者死亡により」 この構図の切り替えには、かなり意表をつかれた。本集のベスト。
「次はあんたの番だよ」 ホラーテイストが法月作品ではめずらしい。この構図の切り替えも好み。
「平行線は交わらない」 綸太郎が、事件の考察の配信を検討するのは、ちょっと新鮮。展開は好みだが、動機は強引な気がする。

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