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ミステリの祭典

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愚者たちの箱舟

作家 綾崎隼
出版日2026年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2026/04/10 10:46登録)
新潟県北部、本土から35キロの沖合に浮かぶ翡翠島に、ひとりの青年が帰ってきたーーー過去に島を襲った連続放火事件の、すべてを明らかにするために………。

うーむ、これはミステリ小説としては、内容を事実を曲げずに(ネタバレなしで)詳しく紹介するのがちょっと難しい作品。(結果的にアンフェアな説明になっていてもご容赦を)
2014年にYA系の文庫の二部作で出版されていた作品を、大幅に加筆修正し改題し単行本化したものです。
主な登場人物は、同い年の三人の若い男女、島に住み続ける「僕」レンと幼馴染みの”姫”、本土から転入してきた「ノア」で、淡い青春小説の味わいとともに、当初は中学生時代に遭遇した連続放火事件が語られていきます。戦時中から島に住み着いたアメリカ人の意匠建築家の手になる複数の建造物を標的にした、放火事件の犯行動機の説明など色々とモヤモヤした不満点がありますが、
「sid.A」と「sid.B」に分けられカットバック方式で過去と現在が語られる構成や、主人公たちをニックネームで表記する点などで、どうしても30年ぐらい前の新本格系の某作品を想起してしまうのが残念です。帯でアピールされている様な凄い作品とは思えなかった。

青春の輝き、雨の日と月曜日は、トップ・オブ・ザ・ワールド、イエスタデイ・ワンス・モア………物語のBGMとして流れるカーペンターズが印象な、ノスタルジックな青春小説としては及第点。

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