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ミステリの祭典

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をんごく

作家 北沢陶
出版日2023年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2026/03/09 22:22登録)
大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻・倭子の死を受け入れられずにいた。
未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。
巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。
倭子の霊について探る壮一郎は、顔のない存在「エリマキ」と出会う。
エリマキは死を自覚していない霊を喰って生きていると言い、
倭子の霊を狙うが、大勢の“何か”に阻まれてしまう。
壮一郎とエリマキは怪現象の謎を追ううち、忌まわしい事実に直面する――。
Amazon内容紹介より。

かなり評価の高い作品ですが、それ程でもありませんでした。第一幕で横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞として合格かなと思いました。しかし第二から第三幕ではあまり盛り上がらないし怖くない、ホラーと言うより文芸作品に近い感触で読みました。文章が上手いとか美しいとか言われていますが、特別優れているとは感じません。クライマックスの第四幕は結構面白かったですけど。

壮一郎は語り手だし、巫女はなかなか良い味出していたりしますが、何と言ってもこの小説を大きく支えているのは、人の姿をした人ならざる存在のエリマキによるところが大きく、物語の半分は彼の魅力でもっていると思います。
それにしてもこの賞、受賞作も最終選考に残った作品もホラーばかりでミステリの敷居がそれほど高いのかと疑わざるを得ません。まあミステリの新人賞は他に沢山あるので、そちらに流れているのだとは思いますけどね。
蛇足ですが、最後に掲載されているホラー大賞受賞作をよく見ると結構読んでいるなと、私はそれ程ホラーが好きなのかと思い知らされました。

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