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ミステリの祭典

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Les gens d'en face

作家 ジョルジュ・シムノン
出版日不明
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2026/03/09 20:33登録)
「向かい側(通り向かい)の人々」を意味するタイトルの本作は1933年に発表されたものです。
ソ連のバトゥミ(黒海に面した、現在ではジョージア最大の港湾都市)へトルコ領事として赴任してきたアディル・ベイは、初日から享楽的なイタリア領事に反発したり、領事館のある建物の薄汚さに閉口したり、さらに仕事上では適当なソ連の官僚にいらついたり、住人たちの貧しさにショックを受けたりと、散々な毎日を送ることになります。
それだけでは社会派小説とは言えてもミステリとは思えませんが、領事館の真向かいの家に住んでいるのがゲペウ(GPU、後のKGB)の長官の家族で、タイトルはそのことを指しています。そしてアディル・ベイの秘書ソニアは長官の妹なのです。また彼の前任者は突然死去していたのですが、原因は不明…
不穏な空気は最初からあるものの、全11章中第8章から一気にミステリらしくなる作品です。

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