(2015/12/19 23:43登録)
我孫子武丸の『メビウスの殺人』のパクり。辻村さんは我孫子読者なので、偶然話が似たということはまずないでしょう。それでも7点と(風桜的な)高得点をつけるのは、単純に作品が面白いから。我孫子より辻村さんのがストーリー書くの上手なんだもん。主人公である浅葱の月並みな美男子キャラぶりと、不良学生(?)恭司のこれまた月並みな不良ぶりは、前作同様胡散臭さMAX(まあ辻村さんも女の子だから……)だが、彼らを囲む脇役が良くできている。月子も狐塚もいい人っぷりがにじみ出てるし、(iと浅葱に)殺される人たちも妙に共感できる連中ばかりだから、美男子たる浅葱の「俺やっちまったよ……」的な心情になんだか説得力が生まれてくる。浅葱って一人称だけなら絶対好きになれないだろうけど、月子たちの視点があるから不思議といい奴に見えるのね(笑)。あとトリックが明らかになるあたりから、無性に話は盛り上がっていく。トリックについてはずるいといっちゃずるいけど、面白いから許す。こういう話を盛り上げるトリックってのが風桜的には理想です。なんだかんだで問題点も多いけど、パワーがあるうんぬんで7点。
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