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ミステリの祭典

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オーメン

作家 デヴィッド・セルツァー
出版日1976年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 クリスティ再読
(2026/02/26 16:42登録)
わざわざ言うまでもないホラー映画の有名作。これは映画の脚本家自身が小説化したものだから、ノベライズと言えばノベライズ。でも映画人気もあってかアメリカではベストセラーになった模様。

駐英アメリカ大使のソーンは、産院で妻が産んだ子は死産と告げられて、代わりに孤児を引き取った。子供がどうしても欲しい妻には内密に。子供はデミアンと名付けられた。出世に順風満帆なソーンの周りには、次第に不吉な予兆(オーメン)が。誕生パーティの客の前で自殺するベビーシッター、動物園に行けばデミアンに恐慌を来す動物たち...ソーンに元を訪れた神父は黙示録めいた謎のメッセージを残すが、嵐の中ポールにくし刺しになって死ぬ...デミアンは666の獣の印を持った悪魔の子・アンチキリストなのか?

話は実に有名だよね(苦笑)小説は映画に忠実で過不足ない。文章も荒っぽいわけでもなく、しっかりと書かれている。訳者の中田耕治もスティーヴン・キングなどのモダンホラーの流れに位置付けて論じていたりする。けして悪い小説ではない。

けど何よりも興味深いのは、映画では「実はすべて、グレゴリー・ペック演じるソーンの妄想であり、黙示録的な妄想に駆られて我が子を殺そうとしているのでは?」という疑問がどうしても浮かんでしまい、それを頭から払拭しつつハラハラしながら見る、という見方になりがちなんだ。だって全部偶然の事故じゃん?でも小説だとそういう読み方にはならない。メディアの違いと言えばそうなんだけども、そういうアイロニカルな違いが出ているようにも感じる。リアルに描かれる映画だからこその現象かもしれない。
そういう現象はキングの「シャイニング」でも起きるんだよね。だから小手調べで本作を取り上げた。

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