| 同じ星の下に |
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| 作家 | 八重野統摩 |
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| 出版日 | 2023年10月 |
| 平均点 | 6.00点 |
| 書評数 | 1人 |
| No.1 | 6点 | びーじぇー | |
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(2026/02/25 20:19登録) 中学二年生の有乃沙耶は、学校の帰りに児童相談所の渡辺と名乗る男に声をかけられる。沙耶は数日前にその児童相談所に連絡を取っていたため、疑いもせずに渡辺についてゆく。ところが渡辺は途中で態度を一変し、一軒家に沙耶を監禁する。ここからは事件の経緯が沙耶の視点で描かれるのだが、読み進めるにつれて、この誘拐の奇妙な印象は強まってゆく。果たして渡辺の目的は何なのか。 中学二年生の少女の境遇と心境を丁寧に描きつつ、意表を突く結末が用意されている。また、北海道警察捜査一課特殊犯捜査係の進藤と部下の相良を狂言回しとする捜査小説の側面も重視されている。少女を誘拐した犯人の動機が実に腑に落ちる。児童虐待の闇を乗り越え、ラストから感じる光は祈りの境地に到達している。現代社会を象徴し、読む者の記憶に深く刻まれる意外性と感動を兼ね備えたミステリ。 |
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