home

ミステリの祭典

login
死体を無事に消すまで 都筑道夫エッセー集成
都筑道夫(東京創元社)

作家 評論・エッセイ
出版日2026年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2026/07/24 13:24登録)
日本版「EQMM」誌の初代の編集長にして、創作・翻訳・評論に多くの足跡を残した悕代の知識人・都筑道夫のエッセイ類を、日下三蔵の編集で集成する全三巻(予定)のうち、第一巻の本書はミステリ専門誌に発表された論考を中心に収録されています。1973年の晶文社版「死体を無事に消すまで」とタイトルは同じですが、丸々の復刊ではなく、晶文社版の第一部を収録しながら単著未収録だった原稿が多数収録されているので、全く別物と言えます。

晶文社版の再録部分の「パート1」では、やはり自作の「天狗起こし」(なめくじ長屋捕物騒ぎ)と、物部太郎ものの「七十五羽の烏」をテキストにした、ミステリの創作手法の”講座”というか舞台裏の話が興味深く楽しい。アイデアが意外な方向から舞い降りて来たエピソードは実体験なんだろうか?
「パート2」以降は、都筑がEQMM誌に書いてきた原稿が中心になっていて、”編集ノート”には福島正実や小泉太郎(のちの生島治郎)という当時のスタッフが執筆している回もある。また英米の出版関係のニュースが中心になる「望遠レンズ」は、事実を伝えるだけなのでエッセイ的な要素はあまりないが資料としては必要だろう。
「パート3」の”辛味亭辞苑”になると都筑の持論が多く見受けられるようになっている。ハードボイルドに対する姿勢は当時から変わらない感じがする。また主題の話の途中から話題が横道に逸れていって、ウンチクを披露しながらなかなか本題に戻らないという”都筑節”が全開の処が楽しい。

1レコード表示中です 書評