| 瞬きすら許さない |
|---|
| 作家 | ジョー・キャラハン |
|---|---|
| 出版日 | 2026年03月 |
| 平均点 | 6.00点 |
| 書評数 | 1人 |
| No.1 | 6点 | kanamori | |
|
(2026/06/17 12:00登録) 休職明けの警視正キャット・フランクが任命されたのは、人工知能の捜査体”エイド・ロック”を使った試験的な捜査班「パイロット・プロジェクト」のチーフだった。ベテラン刑事としとしての直感を重視するキャットと、あくまでも合理的で瞬時にデータ分析が可能なAI捜査体ロックが、相反する捜査手法で、サンプルとして取り上げた二つの未解決失踪事件に取り組むことになるが…………。 刑事とAIのバディ物の捜査小説だと、ひと昔前ならSFミステリに分類されるところですが、ディープ・ラーニング手法による最近のAI技術の進展具合が凄まじく、chatGPTも身近なアイテムになった現状なら結構リアルな捜査小説と言えそうです。そのうち安楽椅子探偵チャッピーなるものも出てきそうw さてストーリーのほうですが、もともとAIの活用に懐疑的だったキャットと、人間の心情の機微が解らず、その場の”空気を読めない”AIのロックとのすれ違いが面白いところです。捜査のほうは、二つの失踪事件に不可解な共通点が判明してミッシング・リンクものとして劇的な展開になりますが、捜査班の家族が、その中に巻き込まれている状況など安易な偶然の活用が気になります。読み進めていくと、最終的に本作のテーマはAI捜査よりも、犯人側の異様な動機にあるように思われてきました。 CWA(英国推理作家協会)最優秀新人賞をはじめ幾つかの賞を取って、日本でも各種媒体で、宮部みゆき他多くのミステリ書評で取り上げられている話題作で、確かに読み応えが有りますが、社会派的なシリアスなテーマを含め個人的にはちょっと嗜好に合わなかった点があるのでこの評価。シリーズとして続編が書かれているので次に期待したい。 |
|||