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ミステリの祭典

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非Aの世界
非Aシリーズ

作家 A・E・ヴァン・ヴォークト
出版日1966年12月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 クリスティ再読
(2026/02/21 12:36登録)
やはり気になったので読むことにした。ん~困ったな。「非A(非アリストテレス哲学)」ってやっぱわからん。コジブスキーの「一般意味論」をベースに書かれたSFってわけだが、要するに「言語による観念化を避けることで自己鍛錬する」ような超人教育法みたいなものか?

「非A」の訓練結果によって社会の地位を決める「ゲーム」に参加するために、ゲームを司る「ゲーム機械」が支配する「機械市」を訪れた主人公ゴッセン。しかしゴッセンは自らの記憶がすべて捏造であったことを暴かれて、街頭に放り出される。そして....

とまあ、何というかツカミは素晴らしいんだよね。P.K.ディックが影響受けたというのはわかるよ。そして何かよく分からない陰謀があって、それに対抗するように「ゲーム機械」の命令を受けて、誘拐されて殺されて、なぜか金星で復活してまた誘拐されて、大統領を襲撃して暗殺の現場に居合わせ...と怒涛の展開なんだけど、何がなんやらよく分からないままにヘンなスピード感で話が進行していく。金星の征服とか「ゲーム機械」の破壊とか派手な事件が起きまくるんだけど、関わる人々の関係性が全然わからない。刹那的に人間関係が組み替えられていくような感覚で、全体構図が理解できないままに引きずり回されていく。

なので、作者が大真面目に信奉している「一般意味論」がオカルトにしか感じなくなるな。実際、マーティン・ガードナーが疑似科学として盛大にケナしているしね。だから評者としては、既存短編をつぎはぎして書かれたチャンドラーの「大いなる眠り」を、更にとりとめない悪夢にしたようなSFというのが結論。いや同様のスピード感というか熱気みたいなものはあるし、SFガジェットには魅力的なものも多いんだが、決定的に小説としては破綻している。

「ことによるとこれまで出版された中で最悪の大人向けSF小説」という評価に一票。

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