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ミステリの祭典

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愚か者の祈り

作家 ヒラリー・ウォー
出版日2005年06月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 HORNET
(2025/02/08 21:19登録)
 著者の作品は初めて読む。「このミス」2025年度版で、青崎有吾のインタビュー中に出てきて興味がわいたので、読んでみた。
 王道の警察小説で、捜査官のコンビが捜査を進める中で少しずつ真相に至っていくという至って地道な展開。だが、「とにかく事実。事実の積み上げのみが大事なんだ」というダナハー警部と、推測や推理で真相を探ろうとするマロイ刑事のコンビネーションが面白い。一足飛びに犯人を推理しようとするマロイ刑事をダナハーはたびたび一喝し「クソ刑事」とまで言うのだが、なんだかんだで互いをリスペクトしている様子は読んでいて心地よい。
 ひょんな興味から手に取った一冊だったが、読んでよかった。

No.1 6点 mini
(2008/12/29 11:52登録)
今年惜しくも作者が亡くなった警察小説ついでにもう一人、これもつい最近訃報が入ったヒラリー・ウォー
ウォーについては「ながい眠り」の書評を既に書いたけど、この「愚か者の祈り」は中期以降のフェローズ署長ものではなく、まだシリーズ探偵役が定まってなかった頃の初期の作
フェローズ署長ものはかなり本格色が強いシリーズだったが、「愚か者の祈り」は初期作らしく警察小説の王道といった感じ
ただし警察小説が苦手で本格しか興味ない人には「ながい眠り」の方をお薦めする
ウォーの初期作というと「失踪当時の服装は」が従来の定番だが、「失踪当時」はそれほど出来が良いとは思えず、「失踪当時」のグレードアップ版が「愚か者の祈り」である
「愚か者の祈り」は、いかにもウォーらしい雲をつかむような茫洋とした謎から次第に真相が見えてくる構成で、特徴がよく出ているという意味では作者の初期代表作とも言える直球勝負な警察小説だ

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