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ミステリの祭典

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封鎖館の魔

作家 飛鳥部勝則
出版日2026年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2026/04/17 10:00登録)
人里から隔離された僻地に立ち、増改築を繰返し、多くの開かずの間を持つ歪な形態の「封鎖館」。持ち主や居住者を変えながら、過去、昭和平成の時代に妖しげな殺人や、不可解な事件が起きていたが、令和になって再び血塗れた連続殺人が起きる………。

昨年出たばかりの乱歩の通俗スリラー風の大作「抹殺ゴスゴッズ」に続く作者の復活作の第2弾は、一転して割とオーソドックスな”舘もの”の本格ミステリです。芸術家探偵・妹尾悠二が登場するシリーズの3作目になるのかな。
館の形態からして、いかにも”斜め屋敷”系のトリックが予想出来てしまうのがアレですが、出入り可能な部屋の中での餓死という不可解な事件や、密室の首切断死体、容疑者全員が部屋に封印された逆密室状態の殺人など、魅力的な謎の連打が読ませます。
関係者が画家や彫刻家・画廊オーナーと、絵画教室に来た高校生で、エキセントリックで個性的な人物が揃うのも作者らしい。なかでも車椅子の美少女の豹変ぶりには笑った。
狂言回しというか、二人の語り手がいて、屋敷に長年住み込んでいる物語の中心人物でもある洋画家・館真一と、高校生の小玉正に関して、それぞれ「恣意的な語り手」と、「客観的な語り手」と見抜く妹尾の洞察力がなかなか面白い。

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