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ミステリの祭典

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地獄の同伴者
田名網警部シリーズ

作家 楠田匡介
出版日1958年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2026/02/12 20:55登録)
(ネタバレなしです) 1958年発表の短編集で3つの作品全てに田名網警部が登場していますが、過去のシリーズ長編の「模型人形殺人事件」(別題「冷たい眼」)(1949年)と「いつ殺される」(1957年)でも無能ではないけれど名探偵役として脚光を浴びたのは別の人物という、微妙な役回りを演じていましたけど本書でも2作品がやはり似たようなパターンでした。「地獄の同伴者」は犯罪小説風なプロットで、殺人を計画した男がそれを息子に知られたことから思わぬ逃避行になるスリリングな展開で読ませます。作中でエラリー・クイーンの「Yの悲劇」(1932年)の犯人ネタバレがありますので注意下さい。最後は本格派推理小説として着地しており、ルーファス・キングの「不変の神の事件」(1936年)を連想しました。100ページ近い中編の「追いつめる」は第1章はホテルでの怪死事件の捜査という普通の本格派風ですが、第2章になると横領犯の逃亡劇という急変化に驚かされます。解決は読者が推理する余地のない後出し的な推理説明で残念。1番王道的な本格派なのが「雪」で、しかもついに田名網警部が文句なしの名探偵となります。密室トリックが古典的です。

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