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ミステリの祭典

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意外な犯人 犯人当て小説傑作選
犯人当て小説傑作選 福井健太編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日2026年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2026/04/03 12:16登録)
創元推理文庫版の「犯人当て小説傑作選」シリーズ最終の第3巻です。
シリーズ各巻は発表年代順に作品が収録されており、本巻は新本格ムーヴメント以降に発表された近年の作品が対象になっていますが、正当な犯人当てミステリがあまりなくて、変化球ばかりでバカミス風の物や、ショートショート、パロディ作品などが目立つ残念なセレクトになっています。序文で編集者が”犯人当て小説の奔放な広がり”と書いていますが、何か言い訳じみた感じさえ受けます。犯人当て小説の系譜をたどることを意図したアンソロジーならば、「傑作選」なるタイトルはピント外れな気がします。

そういった中で、比較的良かった下記の3作品を寸評しておきます。
標題作の綾辻行人「意外な犯人」は、いかにも新本格らしい犯人当てミステリで、新本格を象徴する2つのガシェット”クローズド・サークル(社会性の排除)”と”徐述トリック”を体現した作品です。
白井智之「「少女」殺人事件」は、ノックスの十戒を消去法推理のネタにするという、バカミスながらも発想が面白くて作者らしい作品。
最後の北山猛邦「竜殺しの勲章」は、第二次大戦時のナチス・ドイツに侵攻されたフィンランドが舞台の物語性豊かな作品。ハウダニットが主軸ながらも、意外な犯人を設定した良作です。ちなみに、もともと本作が収録されていたアンソロジー「推理の時間です」(講談社)は、佳作揃いの作品集です。

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