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ミステリの祭典

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吾輩が猫ですか!?

作家 小山洋典
出版日2018年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2026/01/28 22:17登録)
度重なる激務に耐えかね、ついに倒れてしまったアラサーのサラリーマン・明智正五郎は、『神』による理不尽な気まぐれ(?)によって、一匹の猫に憑依させられてしまう。
そして、突如として始まった、猫の飼い主のひきこもり女子高生・柊との共同生活。
猫になった明智には、神から次々と柊を救うための試練が与えられ……?
Amazon内容紹介より。

ファンタジーで登録しようかと思いましたが、テーマは其処ではないのでその他にしました。ミステリでもないのに何故明智正五郎なのかは不明。別に作者がミステリファンという訳ではなさそうです。とにもかくにも猫に憑依された明智は悪戦苦闘の連続です。そりゃそうでしょう、猫には言葉が話せないし、ニャーとかフニャンとか鳴くか、誰かに纏わり付くとか、ドアをカリカリと爪で引っ掻くくらいしかコミュニケーションを取る方法がないですから。

しかし、ししゃも(猫の名前)になってしまった明智は神からの試練を達成しない限り人間には戻れないのですから必死です。何とか柊が抱える問題を少しずつ解決していきます。その過程は女子高生柊の成長物語でもあります。そう、当事者は柊の方であり、明智はそれを支えながら、時に人間に戻ってアドバイスを与える脇役なのです。ストーリーとしては当然ながらあくまで予定調和的であり、意外性はありません。しかし、引き籠っていた柊が登校を始め、人間関係を構築していきながら過去のトラウマを克服していく姿を描いた本作は王道の青春小説と言えるでしょう。心が汚れていない純粋な人ほど感動しやすい作品だと思います。

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