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ミステリの祭典

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名探偵登場 6
早川書房編集部 ベイリー、スコット、チェンバース、カーマディ、ラッシュ、G-7、ジョーダン

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日1975年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 クリスティ再読
(2026/01/28 22:09登録)
さて早川の古典的アンソロ。でも最終巻のこれはハードボイルド派特集。それも通俗ハードボイルド系の収録が多いという面白いコンパイル。だから読んでみたかったんだ。今言及する人少ないもんね(本サイトだと人並さんやnukkamさんが取り上げてる。素晴らしい)

ロイ・ハギンズ「闇は知っていた」
往年のテレビ探偵ドラマの「サンセット77」の原作とプロデューサーを務めたハギンズが、その主人公スチュアート・ベイリーを起用して書いた短編。ノベライズというわけではないようだ。リーゼントで一世を風靡した見習い探偵クーキーも一瞬登場。暗闇の一瞬に殺された事件に居合わせたベイリーが、消えた凶器の謎を解明。けどあるのこんなの(苦笑)「サンセット77」となると、さすがに古すぎて評者もタイトルしか知らない。ハギンズによる小説版がオリジナルのようだね。ポケミスの「サンセット77」(No.961)にも本作は収録されている。
R.S.プラザー「殺しのストリップ・ティーズ」
「男はあっけなくくたばった。悲鳴をあげる暇さえなく死んでいった」でいきなり、始まる。こういう呼吸こそが通俗ハードボイルド!金髪角刈りの海兵隊上がりのシェル・スコットが活躍する本作、スコットの元を訪れた依頼人がいきなり窓の外から射殺される。依頼はユスリの対応だった...絵画教室、ストリッパーと怪しげな連中をかき分けてスコットは真相を...という話。そういえば実家に別冊宝石の「人みな銃を持つ」があるはずだな。そのうちやろう。
ヘンリイ・ケイン「一杯のミルク」
私立探偵ピート・チェンバースは、初めての依頼人とバーで待ち合わせた。お互いミルクを注文するのが合図。この合図によって美女と待ち合わせして、その家を訪れたが依頼は不成立。翌朝この女が殺されているのが見つかり、容疑はチェンバースにかかる。シンプルでタイトな良さがある。
チャンドラー「犬の好きな男」
「さらば愛しき人よ」の原型作でもある。マーロウが捕らわれて精神病院に入れられて、脱出して賭博船に乗り込むあたりだね。何度も読んでる気がする。
ハメット「殺人助手」
ブ男探偵ラッシュが活躍する三人称。ある女を尾行する男の正体を調べよという依頼を受けたラッシュ。しかし、その尾行者はその女を殺すように、別々の二人からの依頼を受けていた...とあっけらかんとラッシュに話した。尾行者は殺人なんてする気はゼロ(苦笑)でもこの背景には、資産家殺しの一件が?
さすがハメット、というか話がハードボイルドの類型性から遠く離れた、ストリートでまさに起きている事件の雰囲気が漂う。比較するとリアリティのレベルが違う。
シムノン「タクシーの中の男」
論創社の「十三の謎と十三人の被告」で既読。地方出張の多い刑事G7(ジェ・セット)と語り手が遭遇したシリーズ第一話。確かに行動派探偵には違いないね。
ハロルド.Q.マスル「やもめ待ち」
「そのご婦人の亭主はしきりと課外授業にいそしんでいるらしいのだが、こんな素敵な宿題があるというのに、男はどうして暖炉のそばを離れていきたがるのだろう。それが私にはさっぱりわからなかった」離婚事件での密通現場を押さえるために、ジョーダン弁護士は依頼を受けてホテルの一室に踏み込んだ...しかしそこには自殺に偽装した死体が!まあ謎は大したことではないし、ハードボイルドというよりもぺリイ・メイスンに近い行動派探偵。でも文章に軽妙な良さはあるよ。気になってた作家だからちょっと読んでもいいのかな。

というわけで、50年代でのハードボイルドのサンプラーCDみたいなものだな。楽しく読めました。

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