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ミステリの祭典

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ルーカスのいうとおり

作家 阿津川辰海
出版日2025年12月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 HORNET
(2026/03/22 21:00登録)
 2年前に母親を亡くした小学5年生のタケシは、残された父と2人暮らし。そのことから立ち直れず、新しいパートナーを得ようとする父に反発を感じていたタケシはある日、編集者だった母親が担当した児童書『どろぼうルーカス』のぬいぐるみを川原で拾う。母との大事な思い出、ルーカス、だがそれを持ち帰ってから、タケシの周りでおかしな出来事が連続する。タケシが「いなくなってほしい」と思い、そのことを口にした途端、その人が事故や殺人に遭うのだ――ルーカスには呪力があるのか?恐れおののくタケシにその真相が明かされたとき――


<ネタバレ>
 "人形”ネタの典型的なホラーでありながら、当然それそのままではない”ミステリ”ではある。とはいえ、人形に呪念がこめられているというホラー設定は生き。
 主題は、”ルーカス”には誰の呪念がこめられているか?ということ。そういう意味ではフーダニット(?)。まぁ、物理的手がかりをもとに犯人を絞り込んでいく、というものではないが。だから読者は、物語の舞台設定や背景から、それを推理(?)していくカンジになる。
 人形が意志をもって現実の人たちを殺す―と、まぁホラーではあるあるの設定ではあるが、やはり雰囲気はあり、上記の謎解き要素が入っていることでなかなかに面白い。
 ただ、王道の本格を書く作者の他作品に比すると、好みもあってそちらに軍配が上がるカンジにはなってしまう。
 とはいえ普通に十分面白いとは思うので、お薦めできる作品ではある。

No.1 6点 人並由真
(2026/02/03 04:18登録)
(ネタバレなし)
 小学五年生・沢城タケシは2年前に児童書の編集者だった母あずさを事故で失い、今は市役所で市民からのクレーム応対役の父・裕一郎と二人暮らしだった。そんななか、裕一郎が同じ市役所の若い女性職員・丸岡美樹との再婚をタケシにほのめかす。タケシは、亡き母が童話作家・はないあきとともに生み出した創作児童文学のキャラクター「おおどろぼうルーカス」の人形に執着するが。

 今回はホラー×パズラーの趣向だけれど、
・どういう形で謎解きの要素があるのか
・後味は良いのか悪いのか
・そもそもスーパーナチュラルな要素はあるのかないのか
 ……もちろん全部言いません(笑)。ネタバレになるので。

 で、まあ読んでる間はそれなり以上に面白かったけれど、作者が作者だけにちょっと<エンターテインメントとしてはフツーだな>という印象の一冊でもあった。他の新人の作品だったら、もうちょびっと(死語?)高い評価になってたかも。
(いやところどころで、例によっての達者さは見受けますが。)

 タケシの友人となる転校生の少年・森恭介とその父親の心霊探偵。彼らはいずれまた、何らかの形で再登場させるのであろうか? そんな気配がないでもない。

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