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ミステリの祭典

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ひきこもり家族

作家 染井為人
出版日2025年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2026/01/11 16:13登録)
 不登校からひきこもりとなった19歳の平本僚太。ブラック企業で働き心を病んで、20年ひきこもっている44歳の下田大知。彼らの家族がすがったのは、「リヴァイブ自立支援センター」という、支援機関だった。「解消率92%」を謳うそのセンターのやり方は、本人を強引でも自宅から連れ出し、離れた地で共同生活をさせるというもの。僚太と大知の2人は、同じように家から連れ出された50代の竹之内、40代の亜弥子、20代の玲とともに、熊本の研修施設での生活を強いられるのだが―


 うさんくさい謳い文句と強引な手法の「リヴァイブ自立支援センター」に、最後の悲痛な望みを託す家族。彼らは、日常的に虐待が行われている研修施設の実態を知らない。善悪の分かりやすい構図と、刺激的な物語展開で非常に読み進めやすい。
 5人が我慢の限界を迎え、施設職員を殺してしまった所から物語は急展開する。人と話すことが極端に苦手だったはずの5人が一日で豹変する姿はやや違和感を感じたが、人の奥底に潜む嗜虐性が発露されていく過程が描かれる後半もなかなかに興味深かった。

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