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ミステリの祭典

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右園死児報告

作家 真島文吉
出版日2024年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2026/01/10 22:23登録)
右園死児案件が引き起こした現象の非公式調査報告書である

明治二十五年から続く政府、軍、捜査機関、探偵、一般人による非公式調査報告体系。右園死児という名の人物あるいは動物、無機物が規格外の現象の発端となることから、その原理の解明と対策を目的に発足した。
Amazon内容紹介より。

読み始めて違和感を覚えたのは、作者がラノベ出身の作家だったからですね。Amazonレビューには読み易いという意見がいくつか見られますが、私は逆に若干読みづらさを感じました。右園死児(うぞのしにこ)とは一体何なのか。人間でもあり、男でもあり、女でもあり、臓器の一部でもあり、無機物でもあり、動物でもあり。その正体は全く断定出来ないばかりか、右園死児化現象、右園死児に極めて近しい何かみたいな表現も散見されます。

前半の報告は謎に満ちていて私好みでしたが、報告者や登場人物が後の話に次々と登場して来て、何の説明のないままエツランシャというこれまた正体不明のものと戦ったり死んだりしていきます。誰も彼も、いかなる組織もその出自がはっきりせず、皮肉にもそれも読者の不安を煽る結果となっている様に思います。結論を述べれば本作は新しいホラーの形という事になるのでしょうか。これまで私が読んで来たホラーのどれとも似ていないし、最早異形の文学の異端児と言っても過言ではないと思いました。

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