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ミステリの祭典

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変な地図

作家 雨穴
出版日2025年10月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 ミステリ初心者
(2026/03/24 21:46登録)
ネタバレをしております。また、一部過去の変なシリーズのネタバレもしております。

 おそらく世界一読みやすいホラーミステリのシリーズ、変なシリーズの最新作です! 
 丁寧に挿入される絵や図や説明、伏線回収のさいの元となる文章の挿入など、もう作者の特徴のひとつとなりましたね。流石にこれは必要ないだろう…と思われるものもありますがその効果は絶大で、頭の中で人・場所・時間を整理する必要がなく、読書の難易度が圧倒的に簡単になります。内容はホラーミステリなため万人に勧めづらいのですが、活字離れしている人にこそ読んでほしい作品です。もうベストセラーになっているということは、きっと読書が習慣化されてない人にまで売れていることでしょうw

 本作はこれまでとは違い、探偵役だった栗原の事件簿となります。これまで謎だった栗原のパーソナルデータが大量に手に入りますw 栗原の過去が明らかになることにより、探偵役としての魅力も増すでしょうね。とはいえ、私が思っていたよりも冷笑眼鏡クイッ系(なにそれ?)だったのは衝撃でした!
 変な地図だけあり、全編を通して地図がテーマになります。一つの不気味な地図が謎の発端であり、ミステリで言うところのトリック部分にも測量の要素が使われております。また、すべてを読み終えたときには、実はその地図が描かれる理由には人の温かみがあり、読者は初見とはまるで180度違う絵に見えるところも素晴らしい構成だと思います。

 推理小説部分について。
 ホラーミステリ(個人的にはサスペンスミステリだと思うが)のジャンルであるため、あまり本格推理小説の尺度で評価するのは無粋ではありますがw
 私が最も感心したのは、やはりキミコら意図的に起こした事故でした。三角点という測量に関するものが関わっておりテーマに沿っておりますし、ミステリ的にも面白かったです。難癖をつけるとすれば、やはり実際に三角点を動かせば気づかれてしまうだろうことですねw
 過去作はホラー小説によくある小説内の謎をすべては提示しなかったり、最後にはカオスに終わる展開もありました。しかし、今作はすべての謎に合理的な答えが提示され、それが過去作よりもミステリ的だと感じました。また、大団円で終わるのも読後感がよくていいです。

 総じて、ホラーやサスペンス的要素は過去作よりも薄めであり、恐怖という意味ではシリーズ一番軽いかもしれません。ただ、ミステリとして見た場合、最も綺麗にまとまった作品だと思いました。私はミステリ党なため、変な地図が一番面白かったです。

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