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ミステリの祭典

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死の絆 赤い博物館
緋色冴子

作家 大山誠一郎
出版日2025年12月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 人並由真
(2026/01/30 15:22登録)
(ネタバレなし)
 今回は全5編収録。

 良い意味でとても安定した面白さで、個人的に比較・連想するならホックのレオポルド警部シリーズあたりを読む愉しさに通じる(加えて、石沢英太郎の牟田刑事官ものあたりの雰囲気にも近いかも?)。

 第4話のホームレスと国会議員の同じ現場での同時他殺? 事件など、ああこれはジェイムズの『死の味』(評者はまだ未読だが、ジェイムズご本人が来日の際に新作構想の形で御当人から話を伺った)ネタだな? と思いきや、本書の巻末に作者自身の各編のメイキング記事あとがきがあり、正にこれはそちらへのオマージュ、と語ってある。ほかにも各編がいかに既存の名作へのオマージュ、新世代作家からの挑戦という主旨で書かれたか、ミステリマニア作家としての愛情たっぷりに(特にネタバレはないと思う。そこにも感心)語られており、本書の評点もこのあとがきで一点……いや0.5点おまけ。
 
 その4話など冴子の推理がやや直感に過ぎるかな? というものもないではないが、最後の名探偵イヤー・ワン編がなかなかぶっとんでおり、良い感じにいかにも奇想パズラーという味わいで面白い。
(もし、この程度で? という方は、さぞミステリを読まれているのだと思うが。いやイヤミや皮肉ではなく。)

 いずれにしろ今回もとても楽しかった。作者自らが一番、自作の連作のなかではトリッキィなシリーズと自負しているんだけど、ここ(本サイト)ではあまり読まれないのね。少し残念である。

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