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ミステリの祭典

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罪の棲家

作家 矢樹純
出版日2025年09月
平均点8.00点
書評数2人

No.2 8点 ミステリーオタク
(2026/04/28 21:33登録)
 短編集「夫の骨」の表題作で日本推理作家協会賞短篇部門を受賞した作者の多分一番最近の短編集。

 《裏山》
 いやー、全く思いもつかない展開。しかしいくら何でもこれはあり得ないだろう。でもこんなことを思いつけるのは裏山しい。

 《ずっと、欲しかった女の子》
 これも全く読めないオチだがチョットねー。

 《嘘つきと犬》
 これも意外なネタがあるが、前2作に比べるとパンチが弱い。
 変な話(全作そうだが)だけど何か寓意があるようにも思える話だった。でもそれが何かは分からなかった。

 《吸血鬼の⬛し方》 (⬛には「ころ」と仮名がふられている)
 前3作とは打って変わってスマホアプリの戦略ゲーム真っ最中で幕を開ける。
 自分はゲームやSNSにはあまり強い関心がないので途中はイマイチ乗れなかったが、読み終わってみればよくできたミステリだったし、面白い作品だった。

 《三年目の帰還》
 田舎の農家の話かぁ、と少々気が重くなるのを感じながら読み始める。
 事が起こってからも眠気(睡眠不足のせいもあるが)と戦いながら物語を追っていく。そしてメイントリックが明かされた時に・・・覚醒。そうきたか。多少は◯◯だろうとは思っていたがそこまでとは。
 トリックだけでなくこの話もまた読み終わってみればなかなか味のある話だった。  
 
 《運命の天使たち》
 途中までは割と平凡ミステリかなという感じで終盤に唐突に別件が出てきたりするが、流石にそうそう鋭い作品ばかりは続かないかと思っていたら・・・

 《罪の棲家》
 ここまでのミステリとしてのレベルの高さから、表題作にして最終話の本作には当然大きな期待を抱いてしまう訳だが・・・まぁ、ある意味最終話らしいと言えるのかもしれない。
 

 これほど「殆ど」の作品で驚きを感じた短編集は本書以外には殆ど記憶にない。しかも読みやすくて話が巧い。
 この作者の短編集は多分3冊読んだと思うが、自分的には現時点での国内の短編ミステリにおいて法月綸太郎と並ぶ最高の名手。ロジックのノリリン、意外性のヤギジュンという印象。

No.1 8点 虫暮部
(2025/12/23 14:43登録)
 地に足の着いた描写と、オチの鋭い切れ味。“痛い” 話もあるけど。どれが良いとかじゃなくて皆とても良い。
 “各世代の女性を取り巻くミステリ短編集” なる謳い文句に読了後気付いたが、そういう括り方はしない方がいいと思うな~。まぁ女性に関するイメージを上手く利用している部分も、この作者の場合は特に嫌な感じはしない。
 他の本を読む合間に一編ずつ読んだので、各々の味わいがより深まったのかも知れない。

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