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ミステリの祭典

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老警

作家 古野まほろ
出版日2019年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2025/12/27 00:24登録)
 公務員幹部の伊勢鉄造の息子、鉄雄は毎日自室にこもっている三十過ぎの「引きこもり。本人は作家を名乗り、毎日PCに言葉を書き連ねているが、社会には一切相手にされておらず、妄想はエスカレートするばかり。そんな中、伊勢家に隣接する小学校の運動会に不審者が侵入し、児童や教師を刃物で殺傷するという大事件が起きた。犯人は現場に駆け付けた警官も殺害し、その無線で警察に向けてメッセージを発する。そこで犯人は自らを「イセテツオ」と名乗った―


<ネタバレ気味>
 明らかに2019年に起きた、元農水官僚の息子殺害事件を題材にした話のようだが、もしそうだとすると作者の執筆力(スピード)はすごい。
 「8050問題」のテンプレートのような舞台設定で、だからこそ読みやすい。また、「引きこもりの息子がキレて無関係の一般市民を襲った」というストーリーを克明に描くのならサスペンスになるのだが、これはきちんとしたミステリである。事件の様相がひっくり返されていく様はまずまず面白く、ちょっと現実的にはあり得ないかな、というきらいはあるものの仕組みとしては楽しめた。

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