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ミステリの祭典

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迷宮
ハリー・ボッシュ&レネイ・バラードシリーズ

作家 マイクル・コナリー
出版日2025年12月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 kanamori
(2026/02/28 09:12登録)
ハワイ出身で趣味が早朝のサーフィンという、ロス市警の女性刑事レネイ・バラードを主人公とする、警察小説シリーズの第6作。2作目の「素晴らしき世界」からは、ハリー・ボッシュ(ずいぶん前に市警を退職している)がサポートするダブル主人公のような形になっています。
初登場の「レイトショー」でのバラードは、懲罰人事でハリウッド署に飛ばされ、深夜勤務の平刑事でしたが、今作ではコールド・ケースを担当する未解決事件班のチーフになっています。とはいっても市の予算削減の影響下で、正規職員はおらず、スタッフはボランティアばかりという貧弱なチームでした。そこに、市警の巡査になっていたボッシュの娘マデリン(マディ)が加わることになります。
一方、父親のボッシュはどうしているかと、バラードが連絡をとってみると、Netflixで「リンカーン弁護士」シリーズを一気見しているヒマ老人をしていました。コナリーは意外と遊び心というか、読者サービス的な小ネタを時々放り込んでくるので面白いです。過去作では、ロス市警つながりでコロンボ・ネタだったり、ロスの私立探偵エルヴィス・コール(ロバート・クレイス作品の主人公)をカメオ出演させていたりします。今作は2024年の作品で、ドジャース・ネタが散見される。17番のレプリカ・ユニフォームを着た怪しげな故買屋が登場したりしますw

さて、本編は、バラードがサーフィン中に車上荒しにあって警察バッジと拳銃を盗まれる事件から始まります。
このシリーズは、いつも複数の事件の捜査が並行して進行するモジュラー形式が多いので、読んでいて混乱する事もあります。さらに本作は三つの事件が絡んでいますので、下記に整理してメモっておきます。

①バラードのバッジ盗難犯をボッシュと探す過程で、テロ・グループの襲撃計画にぶつかるエピソード
②別件のDNA鑑定から20年前の連続レイプ犯の手掛かりを追い、「DNAパズル」を解く未解決事件班の本来の仕事
③マデリンが偶然手に入れた写真ファイルから、あの「ブラック・ダリア」事件の真犯人に迫る捜査
特に③の、ロサンゼルスの犯罪史上最も有名な、1947年に起きた未解決事件「ブラック・ダリア」ことエリザベス・ショート惨殺事件が興味深かった。
今作でボッシュ・サーガとしては、ますます拡がっていますが、加齢と病魔を抱えるボッシュに精彩がないのが気になった。今後はマディ・ボッシュが中心になっていくのだろうか。

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