| 宙跳ぶ死体の難問 ミス・ヒルデガード・ウィザーズ 翻訳道楽 |
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| 作家 | スチュアート・パーマー |
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| 出版日 | 不明 |
| 平均点 | 7.00点 |
| 書評数 | 1人 |
| No.1 | 7点 | nukkam | |
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(2025/12/19 05:22登録) (ネタバレなしです) 1932年発表のミス・ウィザーズシリーズ第2作の本格派推理小説です。車で混雑するマンハッタンで1台のオープンカーがタクシーに衝突します。事故を起こした運転者は約30ヤード離れた場所に死んで横たわっていましたが、首には縄が巻かれていて首の骨が折れていました。しかも事故の瞬間には車は無人で、運転者は事故の前に座席から飛び上がり宙を舞い上がって通りに落ちたと目撃者が証言します。被害者は名家の一員で、縄がカウボーイの投げ縄のため巡業ロデオ団のメンバーも容疑者になるなど事件は複雑化します。ロデオシーンはエラリー・クイーンの「アメリカ銃の秘密」(1933年)に影響を与えたのか気になりました。トリックはよくばれずにすんだものだと呆れるようなものですが、21章でミス・ウィザーズは「見た目ほど無謀でもなかった」とパイパー警部を説得しています。犯人が誰かだけでなく、ある容疑者が犯人でないところまで説明するなど充実の謎解きを楽しめました。犯人の「保険」もなかなか印象的で、某国内作家の1950年代の本格派作品を連想します。 |
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