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ミステリの祭典

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デビル・ボード

作家 狂気太郎
出版日2014年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2025/11/21 22:26登録)
【あらすじ】 ある財界人が主催するパーティに招かれた各界の著名人16名。
彼らが謎の老紳士から「余興に」と言われて参加したのは、『デビル・ボード』と呼ばれる悪魔のボードゲームだった。
勝者の報酬は大願成就。金を望むなら現在の日本円にして100兆円は下らない賞金が得られるという。
だが、プレイヤーたちは自分の番がくるたびにゲーム盤の世界に吸い込まれ、凶暴な猛獣、悪辣なトラップ、強大なモンスターと「生身」で対峙しなくてはならない。
ゲームでの敗北はすなわち、死を意味するのだ。
次々と、無残に、あっけなく、死んでいくプレイヤーたち。
そんな中、ホラー小説家の洞成一は、持ち前の妄想癖と病的な用心深さにより、何とか死の危機を回避していくのだが……。
Amazon内容紹介より。

ジャンルで迷いましたが、よくあるラノベのサバイバルゲームに内容が近いのでファンタジーとしました。読む前はどれ程グロいのだろうと期待していましたが、大したことはありませんでした。狂気太郎、その名に恥じぬスプラッターだと思っていたのに残念です。しかし、決して面白くない訳ではなく、抑揚を付け乍ら読者が飽きないように工夫されていると思いました。

主人公は洞(うつお)成一ですが、時にほかのプレイヤー目線で描かれていて、誰がどんな戦い方をしてアイテムをゲットしたりポイントを増やしていったしたのかが都度描かれています。一人で戦う者、共闘する者、下僕を連れて敵を倒して行く者など様々で、死者が増えていくに従ってそれぞれの個性が浮き彫りになっていく過程はなかなか楽しめました。特にお笑い芸人の山本岡田の飄々としたとぼけぶりや元傭兵の軍事評論家菅原克也の死に様など、特に印象に残りました。エンディングは予想外の展開で、これは賛否両論でしょうかね。

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