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ミステリの祭典

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群狼
猟区管理官ジョー・ビケット

作家 C・J・ボックス
出版日2025年12月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 kanamori
(2026/02/01 09:39登録)
ワイオミング州の猟区管理官ジョー・ピケットを主人公とした冒険スリラー、シリーズ新刊の19作目です。
2004年に講談社文庫から出た第1作「沈黙の森」(本国2001年発表)から始まり、2020年に創元推理文庫に移籍して通算13作目の「発火点」に至る。出版社を変えながら、四半世紀近くに渡って翻訳出版されている人気シリーズです。
本国では25作目まで出ている様なので、ほぼ年1作のペースで書かれているという計算になる。
シリーズが長く読まれているのは、次の三つの柱(テーマ)を融合・組み合わせながら目先を変え、毎回魅力的なエンターテイメントに仕上げているからでしょう。

①ワイオミングの大自然を背景にした冒険小説の味わい。
②邪悪な人物・集団を相手にした謀略系スリラーの味わい。
③妻メアリーベスと三人の娘との交わりを描く家族小説の味わい。最近は三姉妹の成長小説の要素が強い。

さて、前置きが長くなりましたが、本作「群狼」のことを少し書いておきます。
端的に言えば、本作はほぼ上記②のテーマのスリラーです。
ジョーの盟友で、重要なサブキャラクターである、不穏な過去を持つ鷹匠ネイト(凄腕のお助けマン)が、いつも通りの活躍をします。
狩猟のルール違反をしている人物の捜査から、ジョーが行き着いた謎めいた家族の存在、そして、その件とは別に、男女四人組の凶悪な暗殺者チームの暗躍がカットバックのように進行する。
ジリジリした展開で、「いったい何が起こっているのか」風の物語は、シリーズ初読の読者には付いていくのが少し難しい面もありますが、終盤に一気に隠されていた構図が判明する瞬間はインパクトがあり、最近の作品の中では秀作だと思います。
ついでに、読んだ範囲で、シリーズのベスト3を挙げておきます。まずは今月復刊予定の記念すべき第一作「沈黙の森」、中期の傑作「狼の領域」、創元推理文庫版での第一作で、冒険小説の傑作とも言える「発火点」の3冊です。

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