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ミステリの祭典

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8番出口

作家 川村元気
出版日2025年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 斎藤警部
(2025/11/09 23:23登録)
大ヒットゲームを思いっきり拡大解釈?妄想演出?した小説。
小説と同じ川村元気氏の共同脚本/監督により映画化もされている。
ゲームの方のルールはシンプルだが、小説の作りはちょっと複雑、に見えて実はシンプル、なのか?(おっと、これを言っただけでネタバレなのか??)。

恐怖が隠喩に吞み込まれ、隠喩が幻想に呑み込まれ <ここで物語はターンバックし> 幻想が隠喩に還元され、隠喩は恐怖に還元される、のか・・・・(さすがにそれを言ってはネタバレだな)
結末がどちらに転ぶにせよ、ストーリーが一種の線対称構造になっている作品であるのは大きな魅力の一つ。 これくらいはネタバレにならないと信じたい。

「恐怖」 はゲームから直接引っ張ったものだろう。
「隠喩」 は川村氏がゲームからインスパイアされたオリジナル要素か。
「幻想」 は同氏が 「隠喩」 に翼を授けて、思いのままに飛翔させたものだろう。 私はこの 「幻想」 の強い揺さぶりにこそ圧倒されました。

地下鉄を降り、外に出ようとした青年が、謎のループ内に捕えられ、いつまでも通路内を彷徨うことになった ・・・ (だけじゃない)物語。
各章タイトルが目次に明記されていないのもミソかな。 或る章と次の章との間には、長い長いブレイクをはさみたくなりましたね。。 'きれいな貝がら' のエピソードがいいですね。

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