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ミステリの祭典

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童夢
漫画

作家 大友克洋
出版日1983年08月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 みりん
(2025/11/05 19:05登録)
誰が言ったか漫画史は大友以前・大友以後で分けられるとかなんとか。ほんとかな?当時を全く知らない者からすると、『デビルマン』を描いた永井豪ならまだしも、そこまで後世に影響を与えているのかなあと懐疑的です。何はともあれこの機会に便乗登録です。

マンモス団地で起こる連続不審死事件。事件を捜査していた巡査が転落死し、拳銃が紛失する。
ここまで書くと誰もがミステリーを期待しますが、一応はモダンホラーというジャンルに分類されるらしい。私の中では超能力バトル・アクションを如何に絵で表現するか?その地平を切り開いた漫画という印象です。バトル漫画界のアガサ・クリスティーって感じですね。童夢(1983)が発売された翌年にあの『ドラゴンボール』が連載開始し、このエッセンスはしっかりと継承されていますね。
画力は圧倒的で、特に建造物に対しては狂気じみたこだわりがあるのか、もはや写真の模写ではないかと疑うレベルです。
閉鎖的な団地を舞台にしており、その地域の人達の頭のネジが外れているというところは、よくある因習村系ホラーミステリーのようです。どこか現実と地続きのような世界観で、非現実的な超能力バトルが繰り広げられていくという展開は今でも斬新なのかもしれませんね。
全1巻で完成度の高い漫画です。

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