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ミステリの祭典

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アスカ―麻雀餓狼伝―

作家 吉村夜
出版日2010年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2025/10/19 22:23登録)
本格麻雀小説登場!!
祖父の背中を追い、高校生・アスカは麻雀の世界へ飛び込んだ。そこへいまへの漠然とした不安を覆す、本当の生き方があると信じて。そして一人の美女との出会いが、彼を博打の更なる深みへ誘う…!!
Amazon内容紹介より。

良く出来た麻雀劇画をそのまま小説にした様な作品(褒めてます)。登場人物は多くないもののキャラは立っていますし、主人公のアスカの心理描写が巧みなので嫌でも感情移入してしまいます。なかなか本格的な麻雀小説で、闘牌シーンもここぞと云う時には迫真の書きっぷりを示しており、メリハリが効いていて良いと思います。

博徒同士の騙し合いや凌ぎ合いは読んでいて、ハッとさせられるシーンも結構あり面白さは文句ありません。文体はラノベとは言い難く、普通に麻雀小説としての体裁を保っています。ただ最後にして最大の対決はもう少しヒリついた雰囲気が欲しかったところです。欲を言えばですが。ややあっさり終わり過ぎで、もっと頁を割いても良いから緊迫感のある闘牌を書いて貰いたかったですね。
それにしても手積みではなく全自動卓の時代に裏技を駆使するのは難しくなったのに、敢えてそれに挑戦した心意気は買えると思いました。

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